気軽に家族でも楽しめる外遊びの一つ「釣り」。
色々な魚が釣れて楽しいのですが、中には取り扱いに注意が必要な魚もいます。
先日堤防で釣りをしていたところ、
ヒレに毒を持つアイゴという魚に親指を刺されてしまいました。
噂には聞いていたけど、実際に刺されてみると本当にすごく痛いんです!
今回は身をもって経験した内容から、
「刺されないため」「刺されたとき」の対応をまとめてみました。
アイゴとは
アイゴはスズキ目・アイゴ科に分類される魚です。
特徴
体長は30cmほどまで成長。
平べったく体高があるためメジナやマダイのような強い引きが楽しめる魚でもあります。
体色は全体的に黄色〜緑がかった褐色で腹部にかけて白みを帯びていて、全体的に斑点があるのが外見的特徴。
また、この斑点は刺激や環境によって消えたり色を変えたりと変化。
皮膚は鱗がなく固いです。
生息域
温海域に生息する海水魚。
元々は南洋の魚でしたが、海水温が上昇した昨今では千葉県では館山などの堤防でも見かけるようになりました。
海草や岩礁などがある場所を特に好み、群れをなして生息していることがほとんどです。
産卵期は7~8月。
3cmほどに成長した幼魚は沿岸部に居つき海草などを食べ成長しますが、夏から秋にかけては10cmほどに成長した幼魚が港や堤防際で群れを成して泳いでいる姿が見れます。
その頃には海草以外にも甲殻類など何でも捕食するようになり、港や堤防でつりをしているとオキアミなどの餌にかかることがあります。
呼び名
地域によって特有の呼び名があり、バリ(西日本各地)アイ(関西・三重)イタイタ(富山)などさまざま。また、ハサミで掴んだときに排尿をする様子から「ネショベン」と呼ばれる地域もあるそうです。
刺されないために
毒ビレの位置を覚えておきましょう
ちゃんと気をつけていれば、毒を持つ魚でも安心して対応できます。
まずは毒のある位置を把握しておきましょう。
アイゴは背ビレ・腹ビレ・臀ビレの棘に強烈な毒を持っています。
また見逃しがちなのが、隠れ毒ビレ。
背ビレの一番頭側に前に向かって小さく隠れていますので気をつけてください。
釣れた時の対処方法
アイゴが釣れたら、まず暴れないようにフィッシンググリップ(マゴチバサミ)でしっかりと体の中心を挟んで針を外します。
針を外す際にも出来ればプライヤーを使うと安全です。
ファミリーフィッシングの際には子供に針を外させないで、大人がしっかりと対応してあげてください。
少し可哀想ではありますが、軽く靴裏などで抑えてからマゴチバサミで挟むようにすれば確実に抑えることができいます。
ここで大事になってくるのが、フィッシンググリップの性能。
私の使っていた安物のフィッシンググリップは作りが簡素で柔らかかったため、挟んでいたアイゴが暴れた際に外れ、チクリとやられてしまいました。
やはりフィッシンググリップは、硬くしっかりと魚体を捕まえられる形状のものを選ぶことを強くオススメします。
私が探した中では、第一精工の「ワニグリップMC」がしっかりとした作りで扱いやすそうに感じました。
また、アイゴの毒は死んでも無毒化されません。
堤防で干からびているアイゴを見つけても、素手で触ったりしないように気をつけてください。
持ち帰って食べる場合は、油断して刺されないように、締めた後にハサミで毒ビレを切り落としておきましょう。
私は釣ったアイゴのエラ付近を軽くハサミで切り、バケツで泳がせて血抜きをします。
その後、氷を張ったクーラーボックスに投入し氷締めし動かなくなってから毒ビレを切り落とします。
この時も危ないのでグリップで抑えながら作業を行なっています。
刺されたときの対処方法
「チクリ...!」
あっ…やばい、刺されたかも。
と思った数分後には、まるでハンマーで打ち付けられているような骨まで響く激しい痛みに襲われます。
万が一刺されてしまった場合には、すぐに熱いお湯で患部を温めてください。
だいたい50度くらいに温めたお湯に5〜10分ほど浸けておきます。
アイゴを含む多くの魚の毒はタンパク質でできているため、熱によって毒素の組織を壊し痛みの症状を和らげることができます。
温めた後も痛みは続きますが、しばらくしていると症状は治まってきます。
私の場合、加温後1時間ほどで痛みが完全になくなりました。
私はいつも車にキャンプ用のバーナーを収納したコッヘルを積んでいるため、自分で湯を沸かし処置することができましたが、そうでない場合は最寄りのコンビニなどでお湯をもらうと良いと思います。
ただし、痛みがひどく運転に支障をきたすことも考えられるので、車を運転する際には十分に気をつけてください。
食味
「毒」や「磯臭さ」から嫌われることが多いアイゴですが、地域によっては美味しい魚として扱われています。
特に徳島県や和歌山県では「アイゴの皿ねぶり」という言葉があるほど。「皿を舐めるほど美味しい」とされている。
私も個体によっては磯臭いと感じることがありますが、さほど気にはなりません。
また磯臭さは内臓と皮から発せられるようです。
特に内臓は釣り上げた後にできるだけ早めに取り除き、海水で洗うことで臭いを抑えられます。
なお、内臓を取り除く際は臓器を傷つけないよう慎重に。
グチュッとしてしまうと臭い汁が出てきて身に滲みて臭いが取れなくなります。
臭いが気になる方は、帰宅後に皮を剥ぐ事でさらに臭いを抑えられます。
食べ方
白身で引き締まった身はどんな料理にでも対応できそうです。
私は塩焼きか一夜干しを焼いて酒のつまみにいただいています。
食べ方は色々あり、刺身や塩焼き、煮付けにしても美味しくいただけるそうです。
沖縄地方では幼魚を塩辛にし、島豆腐に乗せて食べたりもするそうです。
まとめ
またアイゴの他にも毒を持った魚や、毒はないけど取り扱い次第で危険な魚はいます。
ファミリーフィッシングなど小さな子供と一緒に釣りをする際には、事前に調べておき気をつけておきたいですね。
千葉県沿岸で釣りをする際に気をつけたい魚
アイゴ(ヒレ毒)
ゴンズイ(ヒレ毒)
ハオコゼ・オニオコゼ(ヒレ毒)
エイ(ヒレ毒)
ヒョウモンダコ(噛まれる毒)
フグ類(強力な歯)
ウツボ(強力な歯)
アナゴ・ウナギ・ウツボなどウナギ目の魚(血液・粘膜毒)